お腹がぽっこりしてきた…」「姿勢を改善したい」そんな悩みはありませんか?
実は、日常の習慣を見直すだけで、体のバランスを整えスッキリしたお腹を目指せます。
この記事では、着物から学ぶ内臓下垂の原因と改善方法をわかりやすく解説し、誰でも簡単にできるトレーニングを紹介します!
内臓下垂を防ぐにはインナーマッスルがカギ!
インナーマッスルとは?
インナーマッスルとは、体の深層部にある筋肉群のことで、腹横筋、骨盤底筋、多裂筋、横隔膜が含まれます。これらの筋肉は内臓を囲む箱のような役割を果たし、内臓を適切な位置に保持する役割を果たしています。
腹横筋は、お腹をコルセットのように包み込み、適切な腹圧を作り出します。また、骨盤底筋は内臓が下がるのを防ぐ役割を果たします。これらの筋肉が弱まると、内臓が重力に負けて下がり、ぽっこりお腹や消化不良、姿勢の崩れにつながります。
ただの腹筋運動では不十分な理由
一般的な腹筋運動(クランチやシットアップ)では、表層の腹直筋ばかりが鍛えられ、インナーマッスルには十分な刺激が入りません。そのため、インナーマッスルをターゲットにしたトレーニングが必要になります。
インナーマッスルが弱まるNG姿勢
インナーマッスルの低下を招く大きな原因のひとつが、「お腹を前後左右にスライドさせる姿勢」です。
たとえば、物と物の間に人が立ち、重力に負けないように上に押し返して支えているとします。このとき、人が力を発揮できるのは、下の物がしっかりと土台になっているからです。しかし、その土台が前後左右にズレてしまうと、押し返す力を発揮できず、重力に負けてしまいます。
インナーマッスルもこれと同じで、お腹がスライドし体幹の土台・骨盤からズレると重力に負け、どんどん弱まってしまうのです。
整体的な視点から学ぶ「着物の帯」と姿勢の関係
着物の帯がもたらす3つの効果
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内臓の位置を安定させる
帯を締めることで腹圧(お腹の内側の圧力)が高まり、内臓が正しい位置に収まりやすくなります。お腹をしっかり支えることで、内臓下垂を防ぐ効果が期待できます。 -
姿勢が整う
帯が骨盤を正しい位置に固定することで、背骨がまっすぐ伸び、美しい姿勢が保ちやすくなります。骨盤の安定は、猫背や反り腰の改善にもつながります。 - インナーマッスルが活性化する
帯によってお腹の動きが制限されるため、無意識のうちに腹横筋や骨盤底筋が働きます。その結果、インナーマッスルが鍛えられ、体幹の安定性が向上します。
昔の日本人はインナーマッスルが強かった?
昔の日本人は、日本を徒歩で横断できたと言われており、その理由の一つがインナーマッスルの強さにあると考えられています。
彼らは普段から着物を身に着けることで、お腹が左右や前後にスライドしにくくなっていたと考えられます。これにより、インナーマッスルがしっかりと働き、長距離を歩いても疲れにくかったのです。
インナーマッスルを鍛えて内臓下垂を防ぐ方法
着物の帯を締めなくても、インナーマッスルを鍛えることで内臓を支える力をつけることが可能です。整体の視点から、日常的に取り入れやすいトレーニングを紹介します。
ドローイン(腹圧を高め腹横筋を刺激)
方法
- 仰向けになり、膝を立てる
- 鼻から息を吸いながらお腹をふくらませる
- 口からゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませる
- 10秒キープ×10回繰り返す
効果
腹横筋を鍛え、内臓を正しい位置に固定する効果があります。
骨盤底筋トレーニング(内臓を下から支える)
方法
- 椅子に座り、背筋を伸ばす
- お尻を締めるようにして、5秒キープ
- ゆっくり力を抜く(10回繰り返す)
効果
骨盤底筋を鍛えることで、内臓が下がりにくくなります。
日常生活で意識したい内臓下垂予防習慣
整体的な視点では、トレーニングだけでなく、普段の姿勢や習慣を変えることも重要です。以下のポイントを意識してみてください。
骨盤を立てる座り方
- 椅子に座るとき、お尻の位置が膝より高くなるようにクッションや座布団を敷くと、骨盤が自然に立ちやすくなる
- 頭頂を天井から延びる糸でつられているような意識を持ち、背筋を自然に伸ばす
- 坐骨で座面を押すように意識
お腹を引き上げる意識で歩く
- 内ももを意識して歩くと、自然とインナーマッスルが使われる
- 反り腰や猫背にならないように注意する
腹巻きやコルセットを活用する
- 軽くお腹を支えることで、帯と同じような効果が得られる
まとめ
現在人の多くが、姿勢の乱れやインナーマッスルの低下によって内蔵下垂を引き起こしやすくなっています。しかし、整体の視点から考えると、昔の日本人は着物の帯を締めることで自然と内臓を支えていたことがわかります。
- 整体的な視点で見ると、内臓下垂の原因は「姿勢」と「筋力の低下」にある!
- 帯を締めることで、腹圧が高まり内臓が正しい位置に収まる!
- 日常の姿勢改善+インナーマッスルを鍛えることで、内臓下垂を防げる!
まずは、座り方・立ち方の意識と簡単なエクササイズから始めてみてください。
参考文献
- 竹井 仁. 体幹コアトレーニング―インナーマッスルの機能と鍛え方. ベースボール・マガジン社, 2012.
- 山口 光國. インナーマッスル・トレーニング―スポーツ動作向上とケガ予防のために. ナップ, 2017.
- McGill, Stuart M. Low Back Disorders: Evidence-Based Prevention and Rehabilitation. Human Kinetics, 2015.
- Kisner, Carolyn, and Lynn Allen Colby. Therapeutic Exercise: Foundations and Techniques. F.A. Davis, 2017.
- Neumann, Donald A. Kinesiology of the Musculoskeletal System: Foundations for Rehabilitation. Mosby, 2016.